変わり目の風

「ゆめこさん いい風 吹かせとぉねぇ~。

 変化の前には 風が吹くんよ・・・・・。」

 

と言って 筆をとり

ご自分の本に 風の中を行く托鉢僧と

「風」という一文字を書いて 私に下さった 

 

それが 明海和尚との最後だった

 

「自分にはもう時間がなかけん、

 ゆめこさんには まだ時間がある。

 まだ やれる。」

 

「私は67までと思っていますが。」

 

「いや、まだ仕事が終わらんじゃろう。」

 

「では75ではどうでしょう。」

 

「まだ 終わらんじゃろう。」

 

「では 80まで居りますか。」

 

「う~ん・・・・。」

 

と 首をかしげられた日からしばらくして

和尚は ご自分の言葉通りに還られた

 

 

私は来月 おかげさまで70歳となり

どうやら定年まで あと10年ほどらしい

 

1年がこれほど短いのだから

これからの10年は あっというま

 

さて 毎日の仕事に 

さらに こころをこめよう

 

どこで切られても 切り口に

「ありがとう」が出てくる「ありがとう金太郎飴」のように

生きて行きたい

 

 

子供の頃 祖母がよく言っていた

「風が吹いてきたから 天気が変わるぞ。

 傘を持っていけ。」

 

今日のように 風の強い日は

祖母の言葉と 明海和尚の言葉を

重ねて思い出します